ポケットの中の赤ちゃん
今日は、小学校の図書館で、私が何度も借りて読んだ本を、紹介します。
ここでは、個人的に好きな本ばかりを選んでしまっています。
今回も、よろしければ、少しだけお付き合いください。……
『ポケットの中の赤ちゃん』
宇野和子/作 (講談社)
ママのポケットの中から出て来た女の子、ムーは、夜になると不思議な国に連れて行ってくれます。
なつ子と、ポケットの中の赤ちゃん、ムーの、内緒の冒険。
本当に飽きる程何度も読みました。
天井にある扉をみつけて、二人が一緒に、ないしょの冒険に繰り出す場面は、本当にわくわくしたものでした。
ムーとの別れは、夢の世界が終わってしまうようで、胸がつぶれそうでした。
いま、本が手元になくても、はっきり思い出せます。
私の通っていた、小学校の本棚の片隅に(本当に部屋のいちばんすみっこのいちばん上の本棚の奥に)あった本です。
当時はいじめられっこな私でしたので、朝も昼も、間の休憩時間も、いつも図書館に入り浸っていました。
かなりの頻度だったので、好きなお話があるあたりの本の棚は、だいたい読みつくしてしまっていました。
薄暗い奥の棚の、一番上の奥の本を取ったらどうなるかな、と何気なく背伸びして取った本が、この本でした。
アマゾンでも、どこでも、いまはもう手に入れられない本になってしまいました。
小学校の図書館に、いまでもあるのでしょうか。
いまでも、一番奥の、本棚にあって、幸運にも見つけた子にとっての、宝物のようなお話になっていたらいいなあ。
この作品のことを想うと、暗く痛い小学校の思い出も、いま、愛おしく思いだせるのです。
↓ 今は売ってないみたいですが、みなさんのコメントがとても素晴らしく、ここに貼っておきたいと思います。