たちねぶたくん
今、絵本を伝えるお仕事をしているのですが、まだ駆け出しのころ、仕事の読み聞かせの時に、盛り上がらなくて困ったら出す、1冊のお守り絵本がありました。
今日はそのことを書こうかと思います。……
『たちねぶたくん』
中川ひろたか/作 村上康成/絵(㈱KADOKAWA)
たちぶた
ねぶた
たちねぶた
ななめぶたもあります。なんじゃそりゃ。
そう、なんじゃそりゃ、がいっぱいな絵本です。
でも、笑います。笑顔になります。みんな、なれます。
いろんなぶたがいるんです。
おそらく青森のねぶたのことのようです。「ごしょがわらさん」も出てくるもの。
絵ははっきり。意味はさっぱり。
でも読み聞かせにはぴったりです。
これは中川さんの絵本ライブへ行った時に出会った本でした。そこで、歌っておどってくださった中川さん。
即会場で購入し、サインしてもらいました。力がわきました。
前職は幼稚園教諭でしたから、読み聞かせ自体はもちろん経験はたくさんあります。
でも、プロとして今日はじめて会う子どもたちやお客さんの前に立つということに当時はとてもプレッシャーを感じていたので、こういう、お守りは必要だなあと。
約半年後に、たまたま以前読み聞かせをした園へ行く機会がありました。そしたら、あの短い読み聞かせの時間を覚えてくれていて、一人の男の子が、遠くから私に向かって、
「あ! うすめぶた~~~」
と、うすめぶたポーズ(身体をナナメに、目の横で薄目ピース)をしてくれたではありませんか!
もちろん、うすめぶたポーズでかえしましたとも。私の勝手な思いかもしれませんが、通じた、と思いました。
困った時にこれを読むと、子どもたちが笑ってくれるのです。
それって、すごい絵本のちから。
そういえば、最近読んでないなあ。この絵本の力を借りなくても、何とかできる私になった。
それはそれで嬉しいけれども、でも、この絵本を見ると、初心に帰ります。
今度久しぶりに、お守りに持って行こうかな♪