ミッカ。好奇心を自由に伸ばせるライブラリー

東京都葛飾区、亀有駅前のリリオ7階にある「絵と言葉のライブラリー ミッカ」。今回取材許可いただけ、館長さんにお話を伺うことができた。
入るとさまざまなものが出迎えてくれる。
まず目にするのは、オリジナルキャラクターのミッカ。手足部分は叩くと音が鳴る。

他にも、季節の装飾(この日はスイカがいっぱいぶら下がっていた!)、色があふれる部屋、たくさんの絵本たち、中央のシアター。トイレのマークはひとつではない、世界中から集めたマークがドア一面に並ぶ。子どもたちの気持ちをあらわしたイラスト刺繍が踊るカーテン。どれもこだわりのものばかり。


出会いがある環境、興味の広がる本棚づくり

現在の所蔵は3,000冊ほど。ここにある本は、絵と言葉を中心に大切に選ばれているそう。しっかりビジュアルが出ているものを中心に、いいなと思ったら連れてくる。テーマごとに棚に集める本も変える。なんと、色で集めた本棚もある。

子ども向けだけの本を並べているわけではないし、一方的に決めた対象年齢で棚に分けているわけでもない。好奇心が広がるように、図鑑はもちろん作品集や写真集、専門書も並ぶ。「子どもって家族の大人の本が気になりますよね」と館長さん。

正しさを求めない

「はらぺこあおむし」「ぎゅっ」のような有名どころの絵本は、あえて通常の大きさではない違うサイズの絵本を入れていることもある。
本の貸し出しはしていない。管理しないことで維持できることもあるし、戻す棚の位置もきっちり固定しない。子どもたちが自分で考えて戻されていることもあるそう。本は一面だけでは決められないことも多いから、違うテーマのところにちょこんといることもある。でも、戻す場所がわからなくなったら入れるカゴがある安心さもある。
ミッカだからできることがある。何でもかんでも図書館と同じにしない。

禁止ルールなく保たれる秩序はあたたかい

ここでは「静かにしましょう」や「走らない」など禁止の言葉は一切書かれていない。あえて書かないのだという。例えば、ストレートな場所があり子どもが走りたくなるなら、動線を書き換えればいい。そうして環境を変えてきた。
問題が起きればコミュニケーションで解決される。大人が決めて一方的に子どもにおろすのではなく、「どうしたらいいと思う?」と子どもに相談する。来ている親御さんは、他の子でも声をかける。漫画の順番がばらばらになっていたら、いつのまにか誰かが「じゅんばんどおりにいれてください」とメモを残してくれている。

開館してから今まで、ここの玩具はひとつもなくなっていないそう。玩具もこだわりのものばかり。高価なものもあるなか、どこかいっちゃったなと思ったら、ある日ちゃんと戻ってきている。きっと子どもが間違えて持って帰ってしまっても、そっと返されているから。

この日はちょうど絵本をテーマにしたワークショップが開かれていた日。「てのひらすいぞくかん」より。
「家でなかなかできないことがここでできるから」と気さくに声をかけてくれた参加者の親御さん。子どもも多いし絵の具もあるしで、始まったとたん部屋が汚れそうだが、不思議と乱れることもなく思い思いに手形をしたり描いたりしている。


色鉛筆は1人1セットを使うのではなく、いろんなメーカーのものをまとめて色分けした中から選ぶ。色鉛筆のメーカーや種類によって若干色も塗った感じも変わるから、それさえ楽しみながら使いたいものを決められる。誰でも主体でいられることが担保されている空間だからこその秩序だろうか。

何者でもない、私でいられる場所

もともと図書館を作りたくて、チャンスを掴みこのライブラリーを立ち上げから支えて来られた館長さん。笑顔で語られるお話は、どれもあたたかな想いがつまっていて、この方がいるからこの場があるのだと思えた取材だった。
私たちは日々何かにカテゴリー分けされていると感じるし、それがないと不安だと思ってしまうこともある。でもここでは、私は私、あなたはあなたでいいわね、と自然に思えることがミッカの素敵さなのだろう。大人とか子どもとか、そんなことさえ気にならないような。人生のはじめからそんな場を体感できるのはいいな。

絵と言葉のライブラリー ミッカ
http://micca.me
入館時間:10:00~19:00
休館日:月曜・第4木曜(祝日の場合は翌日)、年末年始、リリオ館店休日(年2回)
入館料:1日券200円、パスポート(6ヶ月)1,000円、小学生以下無料
※18歳以上のみでの入館不可、子どもと同伴での入館。
住所:東京都葛飾区亀有 3-26-1 リリオ館 7F
アクセス:JR常磐線 亀有駅南口 徒歩30秒 (東京メトロ千代田線直通)

取材をご一緒したお二人のブログ

大人が用意してはいけないもの 松嶋有香さん
https://kakimakuru.com/blog/19381120181509

せんせいのおはなし さちまるさん
https://note.mu/satimaru/n/ne668b84c2755